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クローバーのLife is cozy

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ひとりを愛し続ける本




最近のマイブーム


遠藤周作


遅ればせながら今年、遠藤周作の”沈黙”を読んで

深い衝撃を受けてから遠藤周作読み漁っています

今年の里帰りの際は
隠れキリシタンツアーを計画するくらい(笑)


読み漁ると行っても、やはりここはアメリカ
なかなか見つけられなくて

やっとBook offで古い本など見つけたりしているのですが

遠藤先生(と言わせてもらおう)
の作品には、共感するところが多く
エッセイなど、どんなものでもおもしろいのです


そこで見つけたもう30年前に発行されたエッセイ


ひとりを愛し続ける本_c0327528_09411275.jpg


パッと見て

自分自身を愛する本?
思ってしまった現代に住む私


実は一人のひとを愛し続けるという本


婦人雑誌の連載エッセイとして書かれた本なのですが

男とは女とは

情熱とは?愛情とは?


シンプルな内容で、笑いも交えながら
夫婦のありかた(それは大げさだけど)みたいなものを
彼自身の見解で解説している


世の中が複雑になった世界で
今、若い人が読むと、もしかしてナンセンスで
おじいさんのたわごとと映るかもしれない


でも50代の私にはすっと入ってきて
そうなんだよね〜と頷きながら読んでしまいました

自分が人生の折り返し地点にさしかかったということも
あるかもしれない


一つの章で

愛することと愛し続けることの違い

という章があります


いきなり

”一人の男を愛し続けられっこない”


からはじまり

夫婦になってからのその後というものを分析していきます

不倫やけん怠期なども



そして


最後にしめくくっている箇所

ちょっとアンダーラインでも引こうかと思いましたが(汗)


以下本文より


まず結婚生活の中に、かつて恋愛をしていた時のような情熱を
ふたたび見つけようとするのは愚かです
心理構造がまったくちがっているのですから

もう一度くりかえします、結婚生活に情熱は存在しない、存在し得ない
では何があるか、情熱のかわりに連帯感と多くの男(女)の中から
この男(女)が自分の人生の伴侶者になった
というふしぎな縁の尊重を大切に大切にすることでしょうね

それを出発点として時には自分の心をごまかし、ダマし
とも角もこの共同生活をつづけていく
努力と忍耐を捨てぬことでしょうね

なんだ、なんという消極的な話だとおっしゃるかもしれません
いやいや、そうではない
そんな消極的な連帯感と縁の尊重や、時には自分をごまかすことも
積もり積もれば大きな雪だるまになるようです
少なくとも情熱よりはもっと永続的で
情熱が決して与えないものをくれるかもしれない






カトリック作家として生涯、信仰とは何か?人間とは何かを
テーマにしてきた遠藤先生の
やさしさがいっぱい詰まっているエッセイでした





ひとりを愛し続ける本_c0327528_09411878.jpg

ママを愛し続けるビスケ






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by cloversdesign | 2017-07-19 12:00 | つぶやき